●11月11日
新しいトイレ
僕のアパートのトイレは、ついこの間まで廊下の隅にある汚い共同便所だったが、昨冬の大改装で共同便所が取り壊され、各部屋にトイレが取り付けられた。
部屋によって違いはあるが、トイレといっても、たいていは半間の押し入れの棚を取り壊し、中に洋式便器を付けただけの荒っぽいものだ。内装は押し入れのままだから、なんだか押入れの中で用を足しているような情けない気分になることも多い。
それに半間四方の広さしかないトイレでは、便器に座ると、前にあるドアに膝がつかえてしまって入り口を閉められない。ドアを開けっぱなしにしてないと用が足せないので、客が来てるときにはおいそれと便所にも行けないという恐るべきシロモノだ。
しかし僕の部屋のトイレだけは、そういった押し入れトイレとはおおいに異なる超スペシャルなしつらえ。改装前まで廊下にあった簡易シャワー室が部屋に取り込まれてトイレになったものだから、サイズもシャワー室そのままで、部屋の貧相さにくらべれば、驚異的に広大＆豪壮だ。
なにしろ自慢の豪華装備なので、メンテにも金を惜しまない。トイレットペーパーホルダーも取り付けたし、掃除用ミニブラシやケミカルも買った。便座カバーは友だちがプレゼントしてくれた。
最近では、近くのスーパーで「ブルーレットおくだけ」を購入。さわやかな青い洗浄水で、いっそうリッチなトイレライフを楽しむ計画である。
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