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分厚い革でできたCOACHの赤いキーホルダ。もとは友人の持ち物だったが、不要になったとかで僕にくれた。けっこう高価なものらしい。上品なデザインからして、どうも女物のようだが、そのわりにはがんじょうなつくりが気に入った。
キーの側は、ホックをはずせばリングの脱着ができるようになっている。反対側にはワンタッチで開閉できる金具がついていて、いろんなところにキーホルダをくっつけられるようになっている。僕は、カバンだの携帯電話だのズボンのベルト通しだの、気分しだいでいろんなところにくっつけ替えるもんだから、そのせいでよく鍵をなくす。
もらった当時は赤い革のきれいなキーホルダだったが、今では手垢や油汚れですっかり黒ずんでしまった。ブランド名を刻んだ真鍮のプレートも、ところどころ塗装が剥げて地金がみえている。もっともそのおかげで、少しは僕にも似合うデザインになってきたような気がしないでもない。
