1月30日
粉雪シュプール

　めずらしく東京に雪が降って電車が止まり、あちこちで交通事故が起きた。わずかな雪で大騒ぎするのは情けないが、日本の総人口の約10分の1、1300万人以上が暮らすこの巨大都市では、それも無理はない。交通、物流、通信が極度に過密で、ふだんからキャパぎりぎりで運用されている。なのに住人は、それがいつでも正常に動くはずだと思い込んで日々を営んでいる。
　容量ギリで設計されたシステムの貧弱さと、市民の危機管理意識の欠如が、東京の弱さの正体なのだろう。

　たかが粉雪でいちいちパニクるこの街が、災害や戦争なんかの非常事態に巻き込まれたら、首都ばかりか日本全土がたちまち機能停止するだろう。早いとこ、猿しか住んでいない岐阜山中あたりに遷都するのが国のためだと思うんだが。