●1月11日
99％チョコ
会う人ごとにチョコレートの話をしているうち、僕のチョコ好きは多くの友人の知るところとなった。およそ50％以上のカカオを含むハイカカオチョコが好きだが、金がなくてめったに口にできず、いつも寂しそうにしているということも、すでによく知られた事実だ。
これは友人が、そのまた友人からもらった外国みやげだ。カカオ含有率99％という究極のハイカカオチョコだが、彼の口には合わなかったらしく、食べかけのやつをわざわざ僕の家まで持ってきてくれた。
ひとくちかじってみたが、ぜんぜん甘くない。砂糖がまったく入ってないんだから、それも当然といえば当然だが、さすがにここまでくると素直にチョコとは認めがたいような奇妙な味だ。だが苦みをこらえて噛んでいると、豆に似たふしぎな味わいがあって、これはこれで悪くないのかなと思うようになってきた。
とはいえ味は確実にマニア向けで、舌触りもなんだかひどくぱさぱさしている。少なくともコンビニで売って万人にウケるようなしろものではない。精進潔斎の日々を送り、山中深く滝に打たれて読経に明け暮れてる坊さんなんかが、修行の一環として食うにはピッタリだろう。
ひとつ気がかりなのは、99％のカカオのほかに入ってる１％の物質の正体は何かということだ。味から推測すると、土か馬糞でも入ってるような気がするが、収穫時に別のナッツのかけらが少しまじってることでも心配して、ちょっと控えめに表記してるのかもしれない。
リンツ・エクセレンス 99％カカオ。製造元はリンツ＆ナントカカントカという、うまく読み書きできないメーカーだ。50グラムの板チョコタイプ。価格はもちろん不明だ。
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